プレゼンの終了
日本から持参した唯一の冬用スーツを着て、長いようで短かったこの3ヶ月半を締めくくるプレゼン。持ち時間は各自15分と質問のために用意された5分。私は、卒業論文において、なぜファッションのデザインが模倣されるのか、模倣を放置しておいても業界が繁栄を誇っている理由を法的観点から解明しようとしており、そのさわりをプレゼンで紹介したところ、クラスメート達には大いにうけた。英語がだめでも内容の面白さ*1 は伝わるなあと改めて感じ、少し自信をつける。最初、自分の落ちこぼれぶりに「早く帰りたい」と言っていたのが嘘のよう。なお、帰国してからも、このテーマについて特許庁の人達と研究を進めることになろうとは、このときは知るよしもない。
プレゼンも終了したので、イタリアに来てから最もリラックスした日々が訪れる。。。と思ったら、明日以降には皆とのお別れが待っている。気の休まるときがない。どうでもいいが、私の体重はこの月だけで4キロ増え、ジーンズが入らなくなった。明らかに運動不足とアルコールのせいだ。
*1:この場合、interesting(興味深い)ではなく、funny(バカっぽい)という意味の面白さ
イタリア居残り決定
この月でイタリアでの勉強期間は終了。WIPOの修士コースは来年3月までだけれど、皆自国に戻って卒業論文を仕上げることになっているので、卒業の雰囲気が漂い、夜9時に始まって朝まで続く飲み会が頻繁に行われている。
そんな時、ティーチングアシスタントに呼ばれ、フィレンツェでブランドを扱うIPローファームのインターンに興味はないかと打診を受けた。そもそも、このコースでは、卒業後数名がWIPO等で短期インターンの職を得ることができるというおまけがついていたが、何しろ慌しいので忘れていた。
ロースクールからインターンのためにもらえる奨学金は1ヶ月分。1ヶ月で仕事の何が分かるのかという気が正直するけれども、何よりも花の都フィレンツェ!今まで勉強ばかりだったのが、やっとイタリアを楽しめる機会が来たとばかり、即答で行きますと返事をする。「冷静と情熱のあいだ」を映画で見てからフィレンツェに憧れていたけれど、こんな形で現実になろうとは…。
ビザの延長手続き等が面倒くさいということなど考えないようにして、とても親しくなったイタリアの友人達と当分は別れなくてよいということにすっかり浮かれてしまった1日。