そういえばベニスにも行った。

fkitty2006-09-30

なぜこんなに毎日の生活に追われているのかなぜに…と自問自答してみる。思いつくことはただ一つ。毎日の授業時間がロースクール時代の倍はあって,英語脳がすぐ飽和に達する私としてはおそろしく疲れている。まあ英語が堪能な人達でも疲れているらしく「睡眠時間が異様に長い。」と愚痴っていたりするので私に限ったことではないらしい。アメリカとイタリアと日本とはあまりにも違いすぎていて毎日のようにネタがあるのにそれもろくろく書けず。
さてそんな中すっかり忘れていたベニスのお話。トリノからはベニスまではバスで片道6時間。普通日帰り旅行するような場所ではない。が何を思ったか午前4時30分出発午後10時30分帰着ガイド付きバス代込み(現地での水上バス含む。)50ユーロという学生ならではな弾丸旅行に参加。

ベニスの交通網は専ら水上タクシー水上バスかゴンドラ。陸から水上タクシーに乗ってベニスに近づく瞬間はかなりワクワクする。ただ水はきれいとはいえない。ここはイタリアの他の都市からは隔離されていて*1,不便といえば不便な場所にある。ここが栄えていること自体イタリア人が便利さという価値感にあまり重きをおかない国民ということを表している。

いずれは海の底に沈むという運命にあるらしいロマンチックな水の都に人が集らないはずはないけれど,ここまで集っているとは予想していなかった。週末というのもあり人人人でごった返している。観光のメインとなるサンマルコ広場などは人とすれ違うのもやっとな位の芋洗い状態でこの時点で好みの観光地ではないことが判明した。ばかなことにヒール付きの靴で行ったので疲労度も倍。午後になると広場にまで海水が浸水して来てベニスがいずれ沈むことを実感する*2。べニスのイメージはモネの描く柔らかくみずみずしい夕焼けのベニスだったけれど,そこは印象派モネのこと,相変わらずふんだんに光を取り入れる画法を使ってベニスを描いたんだなあと(実物より絵の方が素敵。)。

とにかく人に疲れてしまって,一緒に行った友人と「どうして皆ベニスがいいと言って世界中から集まるのか分からん。」等ぶつぶつ言いながらまた片道6時間かけて帰ってきた。ある友人の父上はわざわざ「イタリアにいるんだったら是非ベニスに行きなさい。」とメールを送ってきたらしい。帰った後ベニスに何度も行った経験のある人に,ベニスはディズニーランドのようなものと思えばいいのかという話をしていたら,観光客の多すぎるサンマルコ広場周辺はベニスの最もよくない所で,そこを避けて違う島に行ったり裏通りを歩いたりするのが楽しむコツなんだそう。行く前に知っていれば!これから行く皆さまどうぞ参考に。

*1:ベニスの最盛期にはこの不便さが敵から街を守る役目を果たしたのか。塩野七生氏のベニス3部作等を読み返しておけばさらに楽しめたような気が今頃になってしている(どこで手に入れるのかという問題はさておき)。

*2:当局によって沈まないように対策が取られているそうですが…。