弁護士にとって大切なもの?(CLEその2)

fkitty2006-02-19

「Media and Communication Law」は期待していたIT Law関係のものではなく,テレビ局のテレビ番組に対する自主規制の話がだらだらと続き,レジュメを見ていない今となっては「2009年2月17日にアメリカのテレビ放送は一斉にデジタル放送に切り替わる」という,本当にどうでもいいことしか新しい知識として身についていない。
講師が唯一生き生きと話したのは,雑談での「弁護士にとって,大切なのは1に弁護士免許を守ること,2にお金。以上」というくだりで,これがウンザリに拍車をかけた。別にお金が大切とか社会のことをこれっぽっちも考えていないこととかはその人の勝手だけど,仮にも講師の立場で弁護士に講義をしている場面で,ことさらに自分の下品さをひけらかされてもねえ…。ジョークでもないようだし。
アメリカの弁護士は,抽象的な「基本的人権を擁護し,社会正義を実現することを使命とする」(弁護士法1条1項)*1義務なんて負ってはいないよなと思って既に記憶の彼方にあるProfessonal responsibility(弁護士倫理)の本をめくったがやはりそれらしきものは見当たらず。
何が正義かという定義付けは不可能だし,「弁護士にとって大切なものは正義です!」とか言われても正直うさんくささしか残らないし,お金は大事というのもよく理解できるけど,目先の利益のことしか考えず,それを恥じてもいない弁護士なんてやっぱり寂しすぎる。
彼の講義内容が素晴らしければ,また,パートナーである彼が同じ事務所のアソシエイト担当部分にまで口を出してきて講義の時間配分を台無しにしたりしなければ*2,こんな雑談は気にもしなかったんだけど。

*1:http://www.ron.gr.jp/law/law/bengoshi.htm 今改めて読むと,1条とか2条とかは大変な内容だ。

*2:同じ事務所の弁護士同士で講義を分担していた。アソシエイトの「困った,時間がない。どうしよう。」という顔に思わず同情。