何か事件があるから裁判所があるわけで,普通は,裁判の関係者全員がハッピーになることはあり得ない。一方が勝って嬉しくても相手方は悔しいし(民事),被告人に厳しい罪が言い渡された場合,被害者の気は済んでも被告人の家族は大変(刑事)というのが万国共通。と思っていたら,今日,法廷で判事を含め全員がニコニコする場面があった。アメリカでは,司法試験に合格した後,裁判所の法廷で行われる宣誓式(Attorney's Admission)を済ませてはじめて法曹となれる。本日宣誓をする新人弁護士は結構緊張していたが,彼に付き添う父親(弁護士)も判事も書記官も警備の人も全員ニコニコしていた。裁判所がこういう前向きなことに利用されるのは大変新鮮だ。私も,時期柄自分の頃を思い出すとともに*1,今日から弁護士となる彼の前途に幸いあれと願う。
ところで,気になって調べてみたが,宣誓式に要する費用は$150である。また一般の民事事件を提起した際に裁判所に支払う費用は一律$250という大変お得なシステムらしい*2

*1:日本では裁判所の関与はなし。弁護士会館に全員が集められ式みたいなものがあったのかどうか…はっきりした記憶がないという程度。

*2:日本では,請求する額によって裁判所に支払う費用が決まる。