Pillsbury

fkitty2006-01-13

「日本にはないアメリカのビジネスを日本に持ってくるなら何をする?」という話を冗談でしたことがあったが,そのときPillsbury社*1の日本での独占販売代理店がしたいと答えた。アメリカのスーパーで買うパンがまずいというのは私が常々言っていることだけれど,そこに燦然と現れる救世主がPillsburyのパンシリーズなのである。
これのすごいところは,パンが半完成品状態で売られているところで,例えば最もポピュラーなCrecent(クロワッサン)*2は,筒状のパッケージにパンの種が入っていて,筒から種(三角形になるように切れ込みが入っている。)を取り出して,三角形になった種をくるくると成形して自分でクロワッサンを仕上げ,オーブンに5分放り込めば,焼きたてクロワッサンの出来上がり。冷めたら大したことはないけれど,焼きたてのときはすごく美味しい。
まずいパンに辟易している周りの人達に薦めたら,パンを自分で完成させるという目新しさもあってナカナカこれが好評だった。いつもはクロワッサンを買っているが,先週,フランスパンとイタリアンブレッドを発見した。パン焼き器もないのに自宅でフランスパンが焼き上がるとは何と幸せなことか。焼きたては皆大好きなPAUL*3のフランスパンのようと自画自賛
ところで,なぜパンがまずいのかという問題はパンの問題ではない。少なくとも私の住む地域では,スーパーマーケットがピラミッド状態に階層分布しており,Woole Foods*4に代表される高級オーガニックスーパーのパンはどれも美味しくお高い。中間に位置するスーパーマーケットのパンはまずいが店によってたまーに美味しい。値段はまあまあ(日本と同じかそれ以上)。底辺に位置するスーパーマーケットのパンは味見したこともないが,見かけからしてまずいと断言できる。この高級,中間,底辺の各店は,客層,働いている人のレベル,品質,品揃え,値段,清潔さによってはっきりと区別できる。大抵の日本人はその懐具合と健康志向とによって中間〜高級のスーパーを使っている。私が「パンがまずい」と言う理由がお分かりいただけただろうか。
今これを書きながら,日本に大々的に展開されているオーガニックスーパーがないのはなぜだろうと気になった。日本人全般はアメリカ人全般よりもはるかに健康志向なのに。Pillsburyよりも有力*5な新規参入ビジネスではないかしらん。

*1:http://www.pillsbury.com/View/Default.asp リーダーズ英和辞典によれば,世界最大の製粉会社とのこと。

*2:http://www.pillsbury.com/View/breads/crescent_rolls.asp

*3:http://www.elle.co.jp/home/paris/news/021101/

*4:http://www.wholefoods.com/

*5:日本はオーブンが全家庭に行き渡っていないことがPillsburyビジネスの弱点