とある案件のこと

fkitty2005-12-19

またまた連邦裁判所と州裁判所の振り分けに係る案件を割り振られた。前にも書いたが,およそ私の過去現在未来の仕事とは縁遠く,勉強にはなれど退屈なことが否めない分野である。今回のは特に,「どうせ裁判所には受け入れてもらえないだろうけれどとりあえず書きました」的やる気のない書類が申立人弁護士から提出されている。主張自体がstupidで,適用される法律についての前知識がなくても無理筋なことが明らか。拠って立つ条文の引用すらなされていない。こういうのはさくっと終わらせることが肝心。
…のはずが,私までも該当条文を探し当てることができず*1,ずるずると1週間が過ぎてしまった。これでも,書面の向こうに困っている申立人の顔が浮かべば何とかしてあげようという気になり,熱の入り方も違うのだろうけど,この主張から思い浮かぶのはふてぶてしい顔のみ*2。情けない話だけれど,早くこの案件から逃れたいというマイナスエネルギーを糧に,大幅に締め切りを破った末ようやくメモを完成させる。
今までそれが当然のことと思っていたけれど,知的好奇心が刺激されたり,微力ながら誰かの力になれる案件に関わることができるということは,仕事をしていく上で大切なことと思える。そう思えば,この時期の法律事務所の殺人的忙しさなんて何のことはなく,むしろありがたいのかもしれない(将来の自分に送る言葉。日本に戻ってから2,3年後にこの部分を読み返そう。)。

*1:日本法だと嘘みたいな話ですが…。

*2:あくまで想像。hearingは開かれないので申立人には会っていない。