こちらに来て何が一番進歩したかといえば間違いなく料理。もし,時間があり,コンビニやデパ地下が近所に存在せず,巨大な冷蔵庫と広いダイニングがあれば日本に戻ったときもこの位料理をするのだろうが。
ところで,先週,LLMがホストをつとめる「Internationalfood party」なるものが開催されるにあたり,日本人同級生との日本料理の分担についての事前打ち合わせで私は煮物担当となった。そこで,今まで披露したことのない牛肉と豆腐と野菜を煮込んだ肉豆腐を作ることにした。ただ煮込むだけなのでいたって簡単。醤油とだしと砂糖でやさしい味に仕上がったが,味見をしながら「これはアメリカ人,いや日本人以外にはうけない味だな」とふと思い,同じ食材を使って,調味料を(言えないくらいに大量の)ごま油とにんにくと豆板醤と味噌にした麻婆豆腐*1も急遽追加して作ることにした。パーティで作ったことはないけれど,何となくこれならうけるという確信があった。
何をもってうける,うけないとするかといえば,それは単に今までのパーティの経験からくるカンなのだけれど,無理やりそこから一つの法則を抽出してみた。
ビールに合う料理(例:鳥のから揚げ,お好み焼き,カレー,和風ステーキ,親子丼)つまり味の濃い料理はうける。どちらかと言えば日本酒に合う料理(例:焼き魚,豚角煮,野菜の煮物,酢の物)はあまりうけない。ちょっと邪道な日本料理が好まれるようである。もちろん,当地の立食パーティでの皆がビール,よくてもワインを飲んでいる際の行動なので一般化はできない。
上記のような仮説を立て,パーティでは肉豆腐と麻婆豆腐とを並べてテーブルに置いてみた。数時間後,それぞれの鍋を見ると案の定…麻婆豆腐はきれいになくなり,肉豆腐はやや余っている。仮説が立証できた。例外は寿司で,さっぱりしているにもかかわらず,いつも大人気である。

*1:ほぼ日本料理と化しているものは日本料理とカテゴライズすることにしているので,ルール違反ではない。カレー,ハンバーグもしかり。