ジュリストといっても,関係者なら誰でも知っているあの法律雑誌のことではない。4半期毎に発行される我がロースクールの雑誌の名前である。その2005年冬号の特集記事の1つに私が在籍しているLLMプログラムが取り上げられているのである*1。この記事のための「LLM生座談会」のようなものが昨年末に開催され,私もジュリストの記者(驚いたことに学生記者ではなく本職の記者であった。)の取材を受けた。座談会はテーマ毎に5名の同級生とともに1時間ほど雑談をするというものであったが,今日配布されたジュリストの記事の私に関する部分は,概ね以下のとおり。

fkitty:私は英語で大変苦労をしているが,ここの教授陣の学生に対して教えようとする熱意に感銘を受けた。ある科目の教授には,定期的に授業外での補講をしていただき,さらに私の勉強をみてくれるJDを紹介していただいたりもした。云々。

…全て事実だが,はしょりすぎである。これでは単に私ができない子ということを全校生にアピールしているだけの記事ではないか。私は他にも色々と話したはずである。それはともかくとして,上記事実の背景事情はこうである。

  • 定期的な補講:保険法の授業で毎回質問事項が多いので,まとめて質問をする時間を教授に毎週1回作ってもらっていた。
  • JDの紹介:保険法は契約法を勉強していることが前提とされる科目であるため,教授が保険法の理解のために,私に契約法を教えてくれるJDを手配してくれた(後にそのJDは保険法を履修したことがなかったことが判明したため(つまり私の逆)お断りした。)。

「取材を受けたら,原稿になった段階で目をとおすこと」と言っている人がいたが,このような結果を防ぐにはそうするしかないのだろう。幸い今は気楽な学生でこの記事によるダメージはほとんどゼロだが(記事の存在を職場に知られたくないという位か。),将来仕事に復帰し,仮に取材を受ける機会があれば絶対原稿チェックをしようと心に決めた。なお,知らないうちに撮られたアップの顔写真を掲載されていた友人もショックを受けていたようである。事前の写真チェックも必要?

*1:いまさらながらであるが,ロースクールの学位について。メインは,JD(Juris Docter)と呼ばれる3年間のプログラムであり,当該プログラムを卒業すればよほどのことがない限りアメリカの弁護士になれる。私の通うロースクールのJD500人強のうち99.8%がアメリカ人とのことである。LLM(Master of Law)は,既に母国でロースクールを卒業した外国人を対象とする1年間のプログラムである。同級生は14人。勉強の内容はJDとほぼ同じ。ただ,LLMが専門分野毎に分かれている規模の大きいロースクールの税法コース等ではJDを取得した者の参加を認めている。LLMはJDの上位学位という位置づけであるらしい。