本日のLaw Practice Managementの授業で,テレビにもよく出ているらしい(私は知らなかった。)弁護士が法律事務所の経営に関して講義をした。言っていること自体は非常にシンプルで,最終的には「お金」である。以下のことが日本で参考になるかどうか分からないが,これぞアメリカのロースクールの授業という気がしたので,備忘録代わりに書いておく。

  • 富裕層が何を読み,好み,知りたがっているかを徹底的にリサーチせよ。その上で,これと決めた富裕層向け媒体に広告をばらまくべし。
  • この地域の主だった法律事務所を調査した結果,パートナー(経営に関わる弁護士)の仕事のうち,約20%が法律案件の処理,残りの仕事は全て法律事務所経営に関するものであることが分かっている。経営とは片手間にできるものではない。
  • 法律事務所を裁判所の近くにおいて楽をしようと考えるな。顧客が通いやすい,駐車場スペースをたっぷりとれる場所に法律事務所をおくべし。
  • マーケティング部門を充実するべし。マーケティング部門に15人程度の人数は欲しい*1
  • クライアントからの初回のヒアリングは,アシスタントにしてもらうことで時間を稼ぎ,弁護士は儲かる仕事にエネルギーを注ぐこと。
  • 弁護士:アシスタントの人数の割合は,1:4

この先生,ビジネスに関してはやり手のようで,周辺地域に5つの事務所をフランチャイズの形式で経営し,「今年はA地域とB地域に出店(!)します。」と鼻息も荒く宣言している。いやはや,外食産業ならともかくそんな簡単にフランチャイズで法律事務所を出店できるのだろうか*2ちなみに,この授業,普段は学生が5つのチームに分かれて架空の各法律事務所の事業計画書等を作成するという真面目かつ実用的な授業であるが,日本人の同級生に言わせれば「悪徳弁護士養成講座」とのことである。

*1:1つの事務所につき総勢何人在籍しているのかは聞きそびれてしまった。

*2:確かに,日経ビジネスあたりには,「異業種の成功体験を参考にすることが成功に繋がる」と繰り返し述べられている。