昨年末に公言しておいたとおり,英語力アップのために新聞を定期購読し,大学が留学生のために開催してくれているESL*1にも出席している。ESLは今日が春学期の第1日目。秋学期と同じく,最大勢力は中国人である。その他には,韓国人,バングラデシュ人,インドネシア人,モロッコ人,そして日本人の私である。ロースクールでは圧倒的多数派である日本人として大きな顔(?)をしている私もここでは少数派に回っている。
余談だが,だいたいどこのロースクール(LLMに限る。)でも日本人が最大勢力であると考えて間違いがない。アジアにおいて経済的に勢いを失いつつある日本からの留学生が多いことについては,渡米直後からの謎であったが,(1)日本は会社の法務部門が社員のために高額な学費等を負担するという制度があり,学費の支払いもれという問題がないこと,(2)日本の経済的地位にかげりがさしているとはいえ,アメリカからみて日本はいまだに魅力的な国であることがその理由かと思っている。一方で,(1)についてはコストカットの一環としての社費留学制度の廃止が広く行われており,(2)については中国勢のさらなる台頭による日本の地位の相対的な低下が懸念される。というわけで,個人的には,今後ロースクールにおける日本人のために割り当てられる席*2は減りこそすれ,増えるということはないのではないかと思っている。

というようなことを,中国人が5人もいるESLにくる度に考える。今日は自己紹介も兼ねて自分が以前住んでいた街とこの街との違いについて簡単なスピーチをしたが,ある生徒が「最も違うところは,中国には中国人がいること。」と言ったのが妙におかしかった。ちなみに私は,「この街では,道で会った知らない人が微笑みかけてくるが,東京でそんなことをすると頭がおかしい人だと思われる。」と言っておいた。なお,知らない人と路上で微笑みを交わすのは,慣れてくると結構よいものである。

*1:English as a Second Lungage 要するに英語のクラス

*2:留学生を採る学校は,多かれ少なかれ国ごとの入学者数の割り当てがあり,入学者の出身国が偏らないようにしている模様