南北統一に協力(?)してみる。

先週私の隣はずっと空席だった。各人の机の上にはネームプレートが置かれていて,それによると隣に座るはずなのは韓国の人のようだ。今週遂に彼が現れた。片言英語のお友達*1を求めていた私としては願ってもいないチャンスとばかり意気揚々と話しかけた。彼の身なりは私の韓国人の友人達とはどこか違っていて,40年ほど前の日本人と言った趣。英語のできない私が言うのもナンだけれど,英語が大変おぼつかない。

「なぜクラスに参加するのが遅れたの?」という私の質問に対して,彼は「ビザに問題があって…」と口数少なく答えた。この時点で勘のいい人なら韓国人がイタリアに来るのにビザ問題があるのはおかしいと気付くはず。が,私はそうではなかったので,そのままぺらぺらとしゃべり出し,好きな韓国映画に話を進めようとしたその時,彼は一言「あのー,私は北朝鮮から来ました。私の同僚も一緒です。」と!

先週一週間本当に色々な国の人に会い,聞いたこともない国の人に会っても受け流せるようになっていたけれど,まさかまさか北朝鮮に旅行することもなく北朝鮮以外の場所で彼の国の人に会えるとは!彼と彼の同僚の風貌が昔の日本人チックで,英語がたどたどしいわけだ。政府の公務員らしいけれどよく出国できたなあと感心する。映画(南北スパイ物)に出てくるやたらと軍人口調な北朝鮮人とは違って,彼らは真面目な普通の人のように見えるということにさえ感心する。この先近くて遠い国北朝鮮について色々聞いてみたいと思う。

ここで,別のコースの韓国人の友人が韓国語がしゃべりたいと愚痴っていたのを思い出し,それとなく北朝鮮組に隣のクラスに韓国人がいると言ってみて彼らの間を取り持とうとした。韓国人の友人は自分がアメリカナイズされていること(ジーパン,派手なTシャツ)を北朝鮮組が嫌がるのではないかと気にしながらも勇気を持って北朝鮮組に話しかけたらしく,その後も何かとお付き合いが続いている模様。国同士の関係は微妙でも民間には関係ない*2といういつもの私の持論が今回ばかりは本当にそうだなあと思った。

*1:9月4日付け参照

*2:ただし,話題は少し慎重に選ぶべき。