弁護士事務所からの手紙

追突事故に遭ってからというもの,やたらと弁護士事務所から手紙が来るようになった。これは,私が就職活動をしているからではなく,追突事故の際警察が作成したレポートが一般に公開されているので,それを見た弁護士が「私を雇えば悪いようにはしない」(何と怪しげな台詞!)と言ってきているもの。今回の場合,相手方に一方的な非がある追突事故で,既に相手方の保険会社が車の修理費を支払ったりしているので何を今更…という気分と,再度事故を思い出させるあたりかなりムカムカさせられる代物である。


日本で言われているようなアメリカのアンビュランスチェィサー(救急車を追いかける弁護士)は,私の知る範囲では存在しないが,事故後に手紙を送りつけてくる弁護士というのは一種のアンビュランスチェィサーではないかという気がする。昔は弁護士による広告に対する規制が厳しく,こういった行為は禁止されていたらしく,こういう手紙が送られるようになったのはここ2,30年の間のことらしい。彼らは警察のレポートのみならず,新聞の死亡記事を読んで遺族に手紙を送りつけるという方法でクライアント拡大を図っているので,そこまでくると恥を知りなさいとしかコメントできない。


確かにこの手紙で救われる人もいる。ただ,この弁護士過剰社会で弁護士の知り合いが全くいなくて手紙に頼る人はそんなには多くはない。それに比べてこれらの手紙で神経を逆なでされた人達によって弁護士が社会の嫌われ者になることのデメリット方がはるかに大きいと思うけれど,そう思うのは私が弁護士が少ない社会に住む日本人だから?


その後他の人と話した結果,アメリカ人でも中には「これはやりすぎで,アメリカの悪いところだ。」とはっきり言っている人もいた。アメリカのほぼ全てのことが好きだけれど,これには絶対なじめない。