研修終了

今週で連邦裁判所での研修が終了。長かったような,短…いや長かったような。裁判官がSenir judge*1だったため,メモを書くこともめったになく,仕事面では何だかのんびりしていた。その代わりといっては何だけれど,私の両隣の部屋にいる2人の女性ロークラークとは仲良くなれた。また,彼女らは頻繁に電話を受けたり掛けたりしていてそれを聞いているだけでも(壁が薄い)裁判所の動きが分かり思わぬところで勉強の機会があった。


この連邦裁判所全体の正式なCultureについてのPolicy(方針)が職員に周知されており,それがなかなか素敵で含蓄に富んでいる。カッコ内は意訳。

you:
1. Smile(笑顔で)
2. Are patient and courteous(寛容で礼儀正しく)
3. Maintain eye contact when speaking to another person(話すときは他人の目を見て)
4. Come to work on time(時間厳守)
5. Put in a day's work for a day's pay(その日すべきことはその日のうちに(かな?))
6. Say what you mean
7. Mean what you say(6と併せて有言実行)
8. Treat everyone with dignity and respect(皆に対して品位と尊敬を持って)
9. Always try to do your best-regardless of the task(いつもベストを尽くせ−仕事かどうかにかかわらず)
10. Work as a team(チームプレーを)
11. Do the right thing-even when no one is watching(正しいことを−誰も見ていなくても)
12. Dress professionally(プロとしての服装を)

In addition to these enumerated descriptions of our culture, a sense of humor is very much appreciated. While our work requires us to be professional at all times, that does not mean we can't have fun while we serve the public and support the court(以上に加えて,ユーモアのセンスが高く評価される。我々の仕事は常にプロフェッショナルであることが要求されるが,それは我々が裁判所の仕事をする上で楽しむことをしないことを意味しない。).

お役所なのに最初に笑顔を持ってくるのはさすがアメリカ。加えて最後の付けたしがなかなか。そういえば皆楽しんで仕事をしていた気がする。裁判官も絶妙なタイミングで裁判中にジョークを飛ばしていたし(これには最初びっくりした。)。シリアスな仕事でも必要以上にずっとシリアスでいると疲れるばかり。こういうところは本当に見習いたい。意外なのは,3番のアイコンタクト。日本人同士が話していて自然に視線をそらしてしまうようにアメリカでは自然に視線を合わせてしまうものだと思っていて,こうやって努力目標っぽく掲げられるものというイメージがなかった。


それにしても,研修終了なんてはるか先だと思っていたのに,終わってしまった。さよならだけが人生という言葉を思い出しつつ,職員証を記念に持ち帰る。そしてまた求職の日々…か?

*1:高齢ゆえに給与の上昇はない代わりに手持ち案件を徐々に減らしていける裁判官