ナバホ自治区

早くも旅行最終日(正しくはこの日の夜遅くにアリゾナを発ち,翌朝8時にNC到着)。この旅行の反省点があるとすれば,アリゾナは広大すぎて東海岸からの週末旅行は少し無謀だったという点か*1
ホテルのコンシェルジェにまで「(自治区内の主要観光地までは)片道6時間半位かかるから止めた方がいい」と言われながら,目指したのはアメリカンインディアンの居留地では最大の広さを持つナバホ自治区村山由佳の小説「翼」や,ニコラス・ケイジ主演の映画「Wind talkers」の題材になっていたナバホ族の住むナバホ自治区をどうしてもこの目で見たくて。その広さゆえにフェニックスから4時間走れば少なくとも自治区の端っこには辿り着くので最悪の場合そこまで行って帰ってくればいいやと地図も持たずに出発。
ちなみに,ナバホ族と日本とは関係がないわけでもなく,第2次世界大戦の硫黄島の戦いの際に日本軍がどうしても解けなかったアメリカ兵の暗号はナバホ語を元に作られており,ナバホ族が暗号解読者として活躍したことは大抵のガイドブックで触れられている有名なお話*2
不安になる位どこまでも続く片側一車線の一直線の道路。道路の他には自然が広がっているのみ。自然と一口にいってもフェニックス−ナバホ自治区間ではサボテンが植わっているだけではなく,ときには荒々しい岸壁の間を縫うように走ったり,突如として雪山(San Francisco Peaks)が出現したり,日本の山のような風景に出会ったりと全く飽きることがない。
そして最後に辿り着いたのがユタ州との境にあるモニュメント・バレー。私の求めていたアリゾナはまさにこれ。周りが静まりかえった中,風に切り取られたかのような形の様々な赤茶けた岩が360度の方向に広がっている。景色が大きく空も大きい。「はあ」とか「ほお」とか言って見とれるのみ。何となく厳かな気持ちにさせられる場所。
とはいうものの帰りの飛行機を逃さないようしぶしぶフェニックスへ戻る。この3日間での私の走行距離は約900マイル。この運転嫌いがよく頑張りました。

*1:あるガイドブックなどは,アリゾナを6分割してその1分割毎に5日かけるというスケジュールを普通に提案していた。誰がそんな大名旅行を?

*2:「Wind talkers」はこの実話を元に作られたハリウッド映画。であるからして日本人の描写がとっても変。