幸か不幸か(どう考えても不幸)受験生に逆戻りしたので,それらしく公立図書館などに出掛けた。始めてなので勝手が分からず駐車場を探してウロウロ。この辺は土地があり余っているくせに,少しでも違う場所に駐車でもしたものなら容赦なくチケットを切られるので慎重になる。
図書館のまん前に「patron(パトロン)専用駐車場。それ以外の人の車はレッカー移動します。」との表示のある大きな駐車場がある。私の頭には,パトロン→いわゆる「若い愛人とパトロン」のパトロン→図書館にそんなパトロンはあまりいないだろう(?)から,ここでのパトロンとは「図書館に寄付をしている人」という図式が出来上がった。
パトロン用駐車場はかなり広く,パトロン以外の人用駐車場がなかなか見あたらない。ウロウロしている内に,そう裕福とも見えない身なりのヒスパニック系中年女性がパトロン用駐車場に車をとめて図書館に入っていった。彼女は一体いくら位寄付しているのかなどと訝しく思いながらさらにウロウロ。その後黒人の若いお兄ちゃんまでパトロン用駐車場に車をとめていたので「おぬしもか!?」と動揺する。しかしこの「パトロン」さん達の車はパトロンをしていると言うほどには大したことのない車ではないか*1。ここまできて,やっと,自分がパトロンの意味を取り違えているのではないかと思うに至った。辞書をひいてみると,
patron(1)後援者,支援者,パトロン(2)常連,(図書館など施設の)利用者(3)(古代ローマ)法廷での平民の弁護人…云々とある。
私が最初に思っていたのは(1)で,実際は(2)だったというわけ。弁護人という意味もあるなんてなかなか面白い。それにしても,裕福そうには見えないヒスパニック女性と黒人男性ではなく,お金持ちそうな利用客ばかりを見ていたら,しばらくはパトロン以外の駐車場を求めてさまよっていただろう。日本語にもなっている単語は,意味を知っていると思い込んでいるがゆえに改めて辞書で調べようともしないので,このようなことが起こる。

*1:アメリカでアパートの住民やお店の客筋を見るにはそこに停めてある車を見るのが一番と言っている人もいた。