引っ越す前に住んでいた地域は,日本人が少なく,大学関係者を中心としてほぼ全ての日本人を把握していた感があるものの,新しい土地では,私の活動範囲の中に日本人と知り合う場が含まれていない。むしろここの方が日本人の数が多く,日本人子弟のための補修校や日本人会が存在するらしいけれど。ここで,日本人会に入るなり何なりしてこちらから日本人との繋がりを求めるかどうかだが…実際間接的にその手のグループからお誘いを受けているけれど,何となく気が進まない。既にNCの生活情報に不自由していないこと,この地域には約半年しか住まないことも気が進まない原因である。日本人としてのアイデンティティをこれから確立すべき小さい子供でも持っていれば話は別だけれど。これが,アメリカ人弁護士なら,将来の顧客開拓のためにありとあらゆる組織に顔を出すのだろうが,Law Practice Management,通称「悪徳弁護士養成講座」を先学期履修した私は,まだ勉強の成果を実践に生かせそうもない。
そういえば,アメリカに来てからずっと,日本人との距離のとり方は容易ではないと思ってきた。特に,日本人の数が多い環境にいると,せっかく外国に来ているのにもかかわらず日本人グループに埋もれたり,逆に外国人とだけ付き合い日本人グループをほぼ無視するようになったり*1と,極端に走り易く,いい塩梅を保つべく結構気を遣う気がする。日本人の数が少ない環境にいると,距離のとり方という問題はあまりないが,何か問題が生じた場合,同じ母国語で助け合う日本人がおらず,神経をすり減らすことになる。日本人と付き合うのはやはり楽だし,かといって主に日本人とだけ付き合うのはあまりにもったいないし,かといって「英語の上達のために日本人以外と仲良くする」というポリシーもどうかと思うし…ほどほどが一番よいのだけれど,なかなかこれの実践が難しい。

*1:日本人のみで話す場合でさえ英語を使う。