■
日本の司法修習生のことを英訳すると,Legal apprenticeとなるらしいが,ここでいうThe apprenticeとは,NBCの大ヒット中のテレビドラマ(リアリティショーまたはノンフィクションドラマ)*1である。一言で言えばNYの不動産事業家Donald Trumpが彼の下で働く1人(apprentice)を選抜するまでの過程なのであるが,詳しく言えば,
- 見事apprenticeに選ばれた場合,給料は日本円にして億単位/年
- 予め選抜された18名を9名ずつ2つのチームに分け,毎週多彩なプロジェクト*2に参加させてチーム同士の優劣を決める。
- 負けたチームのうち少なくとも1人が毎週首を切られる。そのときのMr.Trumpの決め言葉が,「You're fired(あなたはクビです。)」
- 選抜された18名は,仕事や学校等を休んで来ている。
- MBA(経営学修士)コースに在籍する人達は,「勉強になるから」との理由からよく見ているらしい。
このドラマのシリーズ2の最終回が今週あった。最後まで残った2人は,軍人経験を持ち現在はソフトウェア会社を経営するKerry37歳(男性)と,サンフランシスコの大ローファームに勤める弁護士のJenifer30歳(女性)である。個人的にはJeniferを応援していたが,このJenifer,美人でスタイル抜群でハーバードのロースクールを上位5%で卒業した位なので頭も切れるのだが,人望がない。その点Kerryは軍人だから愛想もなく学歴も普通(ここまで書いて彼の経歴を見たら何とUCLAのJuris Doctorを持っていた。つまり彼もLawyerである。*3)だが,リーダーシップがある。さらに,上記のプロジェクトにおいて,彼がいたチームは勝ち続けている。結局Kerryが選ばれたがそれは妥当な結果であったと思う。
このドラマは全米4000万人が観ているといわれるだけあって,企画自体が文句なしに面白い。加えて個人的には,Jeniferや,現役ロースクールの学生であるKevinが法律家であると同時に,いやそれ以上に実業家であることを見せ付けられ,弁護士の仕事分野というものについてしばし考える機会になった。Jeniferの職場のボスが「彼女が選ばれない方が嬉しい。彼女がまたこの職場に戻ってきてくれるから。」と最後にコメントしていたのが何とも泣かせる。