スイス人のクラスメートCの提案でドイツ語圏のクリスマス行事であるGoblin*1を行うことに。Goblinとは,一言で言えばプレゼント交換であるが,プレゼントを贈る人(Goblin)の正体がプレゼントをもらう人(victim)には明かされず,ある日突然victimの支配圏内にこっそりプレゼントが置かれ,そのプレゼントの内容とメッセージから誰がGoblinかを推測するものらしい。そして,(1)忙しい試験中ゆえ,プレゼントは20分で選べるものにする(2)$10以下とする(3)期間は2週間とするというルールがある。

Cの作ったくじを引いて,誰が自分のvictimかが決められる。私のvictimは,このブログにも数回登場した隣のキャレルのドイツ人とアメリカ人のハーフJちゃんである。私は彼女に是非あげたいものがあった。それは「愛妻弁当」である。日本人LLM生の中には奥様に毎日お弁当を作ってもらっている人が数名おり,それを見てlunch made by be-loved wife*2,日本語では「愛妻弁当」というのだとJに何気なく言ったことがあった。それをJはいたく気に入り,例えばたまに日本人同士が日本語で話しているときに,にっこり笑って「アイサイベントウ」と割って入ってくる。Jにとって唯一知っている日本語が「アイサイベントウ」なのだ。

しかし作りたい気持ちはあれど,私はJの愛妻ではなく,まあそれはいいとして,ただのお弁当を作ったところで試験期間中にJにキャレルで会える保障はない。仕方なくセール中のクリスマスオーナメントを買い,Jが席を外している隙にキャレルの足元にプレゼントを置いて逃げる。さてどうなることやら。そして私のGoblinは誰だろうと想像は膨らむばかりである。試験中のささやかな楽しみ。

*1:リーダーズ英和辞典によれば,「悪鬼,小鬼(人に悪さをする醜い小人の姿をした妖精)」という意味らしい。

*2:かなり怪しい英語