アメリカの銃問題については,これまでアメリカ人にインタビューをしたり(させられたり),その是非についてディベートをしたり(同)していたけれど,アメリカで本物の銃を見たことはなかった。そこへ,Shootingへのお誘いが。机上の空論よりやはり体験と出掛けてみたはいいものの。。。


私が想像していたのは,刑事物のテレビで見た射撃訓練のように,屋内の狭くて暗い部屋に入り,ヘッドギアを装着し,人の形をしたターゲットをピストルで撃つというもの。以前事務所旅行で訪れた済州島でもshootingをした記憶があるが,屋内でターゲットを狙うという形式のものだった。しかし今回は違う。さすがNC,広い敷地内に森やら草原やらがあり,各地に点在するシューティングスポットにおいて飛び出してくるクレー(clay pigeonという粘土製の標的)を狙ってライフルで撃つという実践感みなぎるものである*1。クレーの飛び出し方も凝っており,あるスポットでは,射撃位置から遠い,しかも高さが結構ある木のてっぺんからクレーが華麗に飛んで来るので,ライフルを空と直角かという位に傾けて撃つ必要があった。下記写真参照。
     
(左から)クレーが飛び出す場所。遠い,木が邪魔!
      この難所においてお手本を見せるTim(南部男) 


小さい男の子が父親から銃の扱い方について手ほどきを受けていて,「さすが南部。マッチョなアメリカ。ひょっとしてお父さんはブッシュ支持?」と日本語で言ってみたり。ライフルに弾を入れ替えるときや移動のために持ち運ぶときの扱いに異様に気を遣わなければならず,またそれ自体が非常に重く,さらに射撃後の衝撃がけっこうこたえる等で精神的体力的に疲弊する*2。マッチョなアメリカをするのもそう楽ではない。ただ,最初はこわごわ扱っていたライフルも,それなりに慣れてくるとナイフとか包丁といった,殺傷目的以外の用途を持つ普通の道具のような気がしてくる*3。それにはアウトドアスポーツそのものといったこの雰囲気も影響しているのかもしれない。

*1:[追記]この凝った射撃の正式名称は,skeet shootingであることが保険法のcaseを読んでいて偶然判明。ロングマン英英によれば,The sport of shooting at clay objects that have been thrown into the airらしい。

*2:シューティングスポット1箇所につき撃つノルマは6発×7箇所。広大な敷地を次のスポットを目指して歩いて移動する。

*3:実際,ひとによっては普通の道具なんでしょうが。。。