卒業後の予定がBAR受験を除いて空白で,あと1年ノースカロライナにてゴルフ三昧の日々を送ることになるのかと思っていたところ,幸運なことにこちらの連邦裁判所*1で研修をさせてもらうことが決まった。研修といっても,ロースクールをトップで卒業したJDしか取れない裁判所でのlaw clark *2とは全くの別物である。しかし単なるお客さんというわけでもなさそうなので,この秋からは,日本の法曹界を代表しつつ(単に日本人法曹がいない,いや日本人そのものが裁判所にいないというだけの意味。),ロースクールで習ったことと実際に裁判所で動いている事件との関連性を間近でみることになる。それは楽しみでもあり,大いなる不安でもある。
それにしてもアメリカの裁判所の裁判所は懐が深い*3。法律は元々その国の言語,国民性,慣習等と結びついている学問で,だからこそ外国人はその習得に四苦八苦しているのだけれど,法律を司る大元の裁判所に外国人をもぐりこませてくれるとは。FBI等は研修の際にアメリカ国民であることを要求しているので,てっきり裁判所もそうかと思っていた。日本の裁判所ならまずありえない。

*1:http://www.nced.uscourts.gov/default.htm

*2:司法試験に受かったばかりの弁護士が裁判官の調査,起案等を助ける。その経験は,アメリ法曹界における超超エリートの証。

*3:JDが裁判所で研修をすることは一般的なことではあるが,外国人LLMを受け入れる裁判所は調べた限りではまれ。litigationの経験をアピールしたのが幸いしたか?